探偵食堂 ~きつねうどん~
調査が終わり、依頼者に報告を終えたころ、俺のもうひとつの仕事が始まる。
営業時間は調査が入ってない時。人は「探偵食堂」って言ってるよ。
メニューはない。勝手に注文されてもできないものは作らないよってのが俺の営業方針さ。
客が来るかって? それが結構来るんだよ。
今日のメニューはきつねうどんだ。
つゆは昆布と鰹節でとった出汁に酒、塩、うす口しょう油で作ったいわゆる関西風。
油揚げはお湯で煮て油抜きをしたあと前回紹介した「とうめし」のつゆで煮汁がほぼなくなるまで煮たもの。
麺は頂き物ので「備中岡山 手延べの里 手延べうどん」という乾麺。
ゆで方の説明書きに規定の時間ゆでた後に鍋にふたをして5分ほど蒸らすとある。そうすることによってもっちり感が増したような口当たりになる。
ちなみに俺の母親の実家は戦後まもなくに京都で創業したうどん屋だ。
まったく世に出ていない話だが、某有名しょう油メーカーさんの超ロングセラー商品である粉末関西風うどんつゆの素はうちの店の味を目指して粉末状の商品を開発(当時は液体での保存販売技術がなかった)されたそうで、その開発に祖父たちがアドバイスをしていたそうだ。
茨城県の探偵・調査は「めしや」じゃなくてSHD探偵事務所 守谷へ
*「探偵食堂」は架空の店舗であり、実在しません。